八幡宮寺領荘園・八幡別宮総覧

中世石清水八幡宮寺の荘園や別宮を総覧します

記事の追加・修正予定について

このブログの記事を投稿してから、早くも10ヶ月が経過しました。その後、いろいろと状況が変化してきましたので、途中経過をご報告します。

 

  • 新たな記事の追加・既存記事の修正予定について

このブログにおける荘園検出の典拠は国立歴史民俗博物館の「日本荘園データベース」ですが、その後、平凡社『日本歴史地名大系』のJapanKnowledge版などを利用し、より精度の高い八幡宮寺領一覧を作成中です。まずは活字媒体で発表されますので、その後、このブログ上にもその情報を反映させたいと思います。

 

  • 新たな総数の集計結果について

なお、新たな作業による八幡宮寺領荘園の総数は552となりました。以前の記事では総数を308とし、そこから減少することを予測していたのですが、実際の作業の結果、大幅に増加することとなりました。

hachimanguji-net.hatenablog.com

 

大幅な増加の要因は、保元三年(1158)の官宣旨や鎌倉初期の「弥勒寺喜多院所領注文」のような、大量に所領名の記載されている史料から直接データを追加したことによるものです。これらの史料にだけみえる単位所領は、現地比定が難しいものも多く、そうした所領名は荘園DBや歴史地名大系にもあまり立項されていません。そうした所領名を拾い上げたことにより、200以上の増加につながりました。

 

  • 辞典類における所領名の重複立項について

一方、作業を進めていると、辞典類には案外と所領記事の重複立項があることに気づきました。たとえば宇佐弥勒寺領である荒津(庄・別符)は、筑前(福岡市中央区)と豊前苅田町)との2箇所に立項されていますが、実際には1箇所です。今回の作業では筑前ではなく豊前に現地比定していますが、このような所領名がいくつも見受けられました。

 

こういった重複立項は、辞典という性格上やむを得ない部分もありますが、ある程度現地比定を絞り込めるようであれば、今後このブログ上でも提示していくとともに、重複立項であることに注意を喚起していきたいと思います。